シロウ's ゲームレビュー(仮)

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【疑問】縦マルチ=悪、の風潮はおかしいのではないか

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今回はゲームソフトの縦マルチ発売について持論を語ってみたいと思います。

必ずこれが正しいと断定するものではないことを念頭に置いて読んでいただけると幸いです。

 

結論を先に書いておくと、昨今のゲームハードの性能を鑑みるとゲームソフトの縦マルチ販売は悪ではない、というのが個人的な見解です。

 

以下細かくお話します。

 

 

 

目次

 

 

 

 

新旧ゲームハードの性能差について

 

マルチ商法がゲーマーに嫌われる一番の理由は、新旧両方のハードでソフトが快適に動かせるように作らなければいけない都合上、どうしてもソフトの完成度が旧ハードの性能に足を引っ張られる事でしょう。

 

3Dモデリングを2種類作るのは相当重労働ですから、旧ハードで動かせるモデルしか実質的に用意できないのがこのような批判が出てくる原因だと思います。

 

 

一昔前までならこのような批判は真っ当なことだったと思うのですが、現行のハードに関してはそうとは言い切れないと思います。

 

 

というのも、ゲームハードやPCパーツの進化という物は時代とともに緩やかになりつつあるからです。

 

以下の記事でも紹介しています。

 

shirosgamereview2021.hatenablog.com

 

一部を抜粋すると、

 

ここでグラフィック性能の指標としてよく使われるTFLOPSを比較してみると、PS2:6.2GFLOPS、PS3:228.8GFLOPS、PS4:1.84TFLOPS、PS5:10.3TFLOPSとなっています。(https://gflops.surge.sh/

 

 

PS2PS3は約37倍、PS3PS4は約8倍、PS4→PS5は約5.6倍のFLOPSの増加となっています。

 

これらの数値から想像すると、まずPS2PS3の時は、解像度が2.7倍になっても、37÷2.7=13.7倍分だけ、グラフィックのレベルアップに使うことができますよね。だからこのときって性能の進化をほとんどの人が結構はっきりと分かったんじゃないかと思います。

 

PS3PS4のときは、解像度2.25倍なので8÷2.25=約3.6倍分、グラフィックのレベルアップに分配できます。この時から、グラフィックが進化しているのかよく分からないという層が多くなってきて、進化の少なさからPS4を買い控えする人が一定数いました。

 

ではPS4→PS5を計算してみると、解像度が4倍なので5.6÷4=1.4倍分、グラフィックのレベルアップが期待できますが…あれ、あんまり増えてない?( ゚Д゚)

 

 

以上のように、ただでさえゲーム機のGPUの進化の程度というのは小さくなっているのに、PS5やXbox Series Xが目指さなければいけない解像度は4K(2160p)です。

 

これはPS4Xbox Oneの標準的な解像度であるフルHD(1080p)の4倍の画素数に相当します。

 

つまり、進化は過去最低に緩やかなのに、表示しなければいけない画素数の進化は急激に増えたのです

 

 

 

素数・フレームレートと内部のグラフィックというのはトレードオフの関係ですから、当然グラフィックに割けるリソースというのはかなり限られてきます。

 

このような環境でわざわざPS5やXbox Series Xといった次世代機のみにソフトを供給する価値はあるのでしょうか?

 

確かにより綺麗で高精細な解像度で遊べる、ロード時間が短いというアドバンテージはありますが、ほとんどグラフィックの変化が無いのにわざわざ決して安くないゲームハードを買い替えてまで遊びたいという層がたくさんいるとは思いません

 

 

僕自身もそうですが、価値を見出しているのはゲームソフトであって、ゲームハードというのはソフトのために仕方なく購入しています

 

 

かつてのように旧ハードでは実現不可能なレベルの性能の進化があるならまだしも、多少最適化すれば旧ハードでも遊べる程度の違いのために、わざわざ売れば売るほど赤字である最新ゲーム機を買わせる必要があるのでしょうか。

 

個人的にはそうは思いません。

昨今ただでさえなんでも値上がりして皆が苦しんでいる中、ゲーム機の優先順位を高くできる人はゲーマーでない限りそう多くはないはずです。

 

 

 

また、画素数に関しても、ゲームに関してはHD画質になった頃からそれ以上の画素数に増やすことに意味を感じなくなってきているというのもあります。

 

ゲームは画面の細部まで近づいて見ることは少ないですし、HD画質ならそれなりに多くの人が満足できる水準の画素数だと思います。

 

ただし4KのモニターでフルHDなどの表示をする場合、モニター上の画素数とゲーム機のレンダリングする解像度の違いから若干ぼやけるという欠点はあります。

 

 

 

多くの人が楽しめることが最重要ではないか

 

ゲームってプレイヤー人口に成否がかかっていると思います。

 

どれだけ優れた良作も、売上が少なかったら商業的には失敗です。

 

 

かつて任天堂は、WiiUの普及率の低さに相当苦戦していました。

 

発売されるソフトは従来の任天堂と同様に非常にクオリティが高いのにも関わらず、です。

 

 

今でこそスイッチに続々と移植版が発売されることでそのクオリティの高さが証明されていますが、できれば任天堂はこのように前世代機の遺産を使い回すことはしたくなかったと思います。

 

というのも、僕の印象では任天堂は最初期に購入した顧客を大事にしていると思うからです。

 

 

任天堂のゲームハードやゲームソフトは時間が経つことで安くなる、ということはほぼありません。

 

少々過保護な見解かもしれませんが、これは裏を返せば最初に買った客が買い控えをして様子見している客に比べて大事にされている証拠ではないでしょうか。

 

 

PSやXbox、PCで発売されるゲームソフトって、時間が経つごとに新鮮味が薄れることからかなり大幅な値引きをして対策していますが、これは最初期に購入した人からすると不満があるのも確かな商法だと思います。

 

だって、数カ月後に定価の半額、さらに一年後にはDLC全部入りの完全版の廉価版がさらに半額、なんてこともざらにありますから、これではレビュワーや配信者など仕事にしている人以外はすぐに購入することをためらうのも納得ではないでしょうか。

 

実際僕もこのような売り方をしていたら、よっぽど惹かれた作品でない限り発売日に購入なんてしません、貧乏ですし。

 

まあこれはこれでゲームソフトを安く購入できて非常に嬉しいのですが、満足にソフトの開発費を回収できていない・次回作の資金源が不足気味であるならばこの売り方は得策とは言えないのではないでしょうか。

 

 

話の方向がだいぶずれてしまいました。

ともかくゲームソフトがその真価を発揮するにはゲームハードの母数は重要で、圧倒的に供給が足りていない中、わざわざソフトを次世代機のみに供給する必要はないのではないでしょうか

 

 

世界規模でみるとPCのSteamなどでの販売を視野にいれればサードパーティは安泰かもしれませんが、僕はプラットフォームごとの独占ソフトにも注力して付加価値を示して欲しいとも思っています。

 

スイッチって豊富な独占ソフトがあるので所有していることに満足感が高いのですが、最近PS系のゲームハードは劣化版PCとしての位置になりつつあって個人的には悲しいです。

 

なので、PS系にもぜひ頑張って独占タイトルをファーストからたくさん供給して欲しいのですが、昨今のゲームの開発規模を考えると十分に普及していない次世代機のみでソフト展開するのは厳しいところがあると思うんです。

 

ソフトの収益が無ければ次のソフトの開発費用を回収することも難しくなりますから、これは悪循環だと思います。

 

 

そこで、縦マルチのやり方が役に立ちます。

PS4は世界的に普及したハードですし、まだまだ遊んでいる方も多くいるのでそちらでソフトを展開すればPSのブランド力の維持に貢献できます。

 

個人的にはPS陣営は下手にPCにソフトを供給するよりも旧ハードとの縦マルチで次世代機の供給不足を乗り切るべきだと思ってます。

 

なぜなら、一度PCに投資して移行したユーザーは多分もう2度とプレステに戻ってきませんから

 

 

半導体不足の影響もありPS5はいくら魅力を提示してもそもそも売ってない状況ですから、過去の資産であるPS4を活かしてそちらでソフト展開していくのが良いのではないでしょうか。

 

 

 

PCゲームとコンソールの最適化

 

思うのですが、PCゲームの場合って使っているPCが個々人でぜんぜん違うので、それぞれのスペックに合わせてゲームが快適に遊べるようにグラフィックなどの設定が何段階もあったりしますよね。

 

ゲームハードっていうのはその何段階もある設定のうちの一つだと思うんです。

 

統一された性能のコンソールは最適化には多少有利だとは思いますが、それ以外に関してはたかがPCゲームの対応する設定が1種類増えるようなもの

 

 

ちょっと暴論ではありますが、そう考えればわざわざ縦マルチを批判して互換切りを推奨する必要はないのではないでしょうか。

 

 

最近のゲーム機はどれも構造がPCに比較的近いので、最適化させることは苦ではないはずです。

 

もちろんあまりにも性能がかけ離れている場合は問題がありますが。

 

 

 

 

まとめ

  • 新旧ハードの性能差は以前より小さく、映し出す画素数は大きくなっていることからグラフィックの進化は控えめ。
  • ブランド維持のためには黎明期こそ縦マルチが有効(1度PCに移行したユーザーは戻ってこない)。
  • ゲームハード1つに最適化するのはPCゲームの設定を1つ分追加するようなもの。

 

いかがだったでしょうか。

 

冒頭でも述べたようにこの考察はあくまで個人的な考えで間違っている点も多々あるかもしれませんが、縦マルチが悪とみなされて本当は最適化すれば普通に旧世代機で動かせるゲームもあるのに、新世代機のみで出そうとして、それが新世代機の普及率が悪いことと重なってなかなかゲームを世に出せない状況は最も悪循環だと思います。

 

なので、「技術的に足を引っ張るから縦マルチは悪!」と決めつけるのではなく長期的に見て受け止められるといいのかなと思いました。

 

 

ただし、PS5の爆速SSDじゃなきゃ実現不可能とか、高性能なCPUの処理を必要とするとか、あまり無いと思いますがレイトレーシングがどうしても必要などの場合は仕方ないと思います

 

無理矢理劣化させて旧世代機で動かすのはソフトの評価を損ねますから、そのような場合は潔く次世代機独占にすべきだと思います。

 

 

 

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