昨年末、ついにプレイステーションとXboxの次世代機が発売されました。
現行機から大幅に向上した性能が注目を集めています。
そこで、次世代機の性能を現行機などと比較して思ったことを述べてみたいと思います。
筆者は機械の性能に詳しいわけではなく、あくまで素人の目線で思ったことですので、正確な詳しい情報を得たい方は、お手数ですがブラウザバックをお願いしますm(__)m。
合わせてご覧ください。
目次
大幅に向上した性能、しかし4Kが足を引っ張りそう
4Kは必要なのか
さて本題ですが、PS5ではHDMIの規格も2.1対応となっていて、MAX4K@120fps出力できることが商品のパッケージにも強調されています。
対応できる範囲が広いのは嬉しく思う反面、ソフト開発において、特に4K表示できるようにするのは、いくらPS5などの性能をもってしても負担が大きい気がします。
4K解像度のディスプレイが世の中にどれくらい普及しているかも疑問ですが、4Kってそこまで需要があるんでしょうか?
ここで今までのプレステの出力できる解像度(画素数)を振り返ってみると、PS1が256×224、PS2が720×480、PS3が最大1920×1080(ただし多くのソフトが最大1280×720)、PS4が1920×1080となっています。
PS1→PS2は約6倍、PS2→PS3は約2.7倍、PS3→PS4は約2.25倍の画素数の増加となっています。
初代から2への進化は確かに目を見張るものがありますが、解像度の進化の度合い(倍数)は徐々に緩やかになってきました。
それもそのはずで、世代を追うごとに倍以上の解像度(画素数)を実現しているので、後半ほど一度に増えるドットの数はものすごいことになります。
じゃあPS5はどの解像度をメインターゲットにしているかというと、4Kというワードが出てきます。でも、皆さん知っての通り、PS4のフルHD からPS5の4Kへの進化って、ぴったり縦横倍の解像度なので画素数でいうと4倍なんです。これを凄いと捉えるのはちょっと待ってと言いたくなります。
ここでグラフィック性能の指標としてよく使われるTFLOPSを比較してみると、PS2:6.2GFLOPS、PS3:228.8GFLOPS、PS4:1.84TFLOPS、PS5:10.3TFLOPSとなっています。(https://gflops.surge.sh/)
PS2→PS3は約37倍、PS3→PS4は約8倍、PS4→PS5は約5.6倍のFLOPSの増加となっています。
これらの数値から想像すると、まずPS2→PS3の時は、解像度が2.7倍になっても、37÷2.7=13.7倍分だけ、グラフィックのレベルアップに使うことができますよね。
だからこのときって性能の進化をほとんどの人が結構はっきりと分かったんじゃないかと思います。
PS3→PS4のときは、解像度2.25倍なので8÷2.25=約3.6倍分、グラフィックのレベルアップに分配できます。この時から、グラフィックが進化しているのかよく分からないという層が多くなってきて、進化の少なさからPS4を買い控えする人が一定数いました。
ではPS4→PS5を計算してみると、解像度が4倍なので5.6÷4=1.4倍分、グラフィックのレベルアップが期待できますが…あれ、あんまり増えてない?( ゚Д゚)
すごく単純な素人目線の計算なので分かりませんが、結局、PS5がネイティブ4Kをターゲットにしていると考えると、なくもない話です。
もしもPS5のソフトがネイティブ4Kに対応できるように圧をかけて作られているとしたら、必然的にグラフィックのレベルアップが乏しくなってしまうのではと危惧しています。だって、1.4倍ですからね。
そこに、GPUへの負荷が大きいレイトレーシングなんて加えたら、下手したらPS4時代よりポリゴンのレベルが下がるんじゃないの?と不安になってしまいます。
実際、デビルメイクライ5SEというPS4時代のソフトの移植版でも、レイトレーシングをオンにすると、フルHD の場合フレームレートは60までになるみたいです(このソフトはPS4版でも1080p60fpsでした)。
このゲームが二年前の発売からどれくらいPS5にむけてグラフィックのレベルを上げているのかは分かりませんが、個人的には解像度・フレームレート・レイトレーシングの内どれか2つくらいのパワーアップに全振りで、他の部分のグラフィックは性能的にそんなに上げられてないんじゃないのか?と思ってしまいました。
まあそもそもPS4時代でも僕はびっくりするくらいグラフィックが綺麗だと思ったので、これ以上必要ないのかもしれませんが…。
でももし、もっとポリゴン数とかテクスチャのレベルを上げられて、より美しいグラフィックを実現できるのなら、PS5の解像度はWQHDくらいをターゲットにしておいた方が無難だったのではないかと思いました。
でも家庭用テレビの推移が、WQHDを挟まずいっきに4Kになってしまったのが原因ですよね…。PS5は仕方なく4Kへの対応を迫られていたのかもしれません。
結局のところGPUは共有なので、グラフィックについては解像度を上げればポリゴンやフレームレートが下がる、というようになにかを選べばなにかを捨てなければいけない、トレードオフの関係です。
そのなかで、4Kという解像度はかなりソフト開発において邪魔なんじゃないかって思います。
たしかに昨今の大画面テレビじゃフルHD は物足りないかもしれないけど、WQHDくらいなら十分綺麗に見えるんじゃないでしょうか。
4KでレイトレーシングONなんていったら、もうPS4時代からポリゴン数やテクスチャなどのグラフィックの向上は無くなるんじゃないかとも思います。
追記(2022/10/12)
上記では4K解像度の必然性について懐疑的な文章を書きましたが、やはり4Kは実現するべきではないかと最近思うようになってきました。
というのも、4Kモニター上でフルHDやWQHDの映像を映すと、画素数と解像度が異なるせいでぼやけて表示されてしまうのです。
モニターを2台以上繋いで遊ぶような人もいないと思いますから、やっぱり4K解像度が必要だと思います。
一応、一般的なモニターの距離での視聴では、4Kで既にドットが完全に視認できなくなるラインを超えているとされているので、そういう意味でも4Kは一つの到達点であり、将来的なスタンダー卜の解像度にするべきだと思いました。
また、PS4proの時代ではアップスケールによるいわゆる疑似4Kでしたので、次世代機を名乗る以上はやはりネイティブ4Kを実現してほしいところです。
今ネイティブ4Kでのソフト開発に慣れておけば、PS6以降のソフト開発技術もどんどん向上していき結果的に技術の進歩が早まるのではないかと思います。
あとは解像度とともに大事な要素にフレームレートがありますが、アクションゲームならばぜひとも60fps以上でのソフト作りを心がけてほしいです。
もちろんせっかく対応しているので120fpsで作って欲しいというのが本音ですが。
仮にも次世代機ですし、内部のグラフィックの進化はもはや人が認知できるほどの進化は少ないと思いますので、そちらに性能を無駄に割くよりもフレームレートや解像度を優先するべきだと思いました。
せっかくPS5は対応しているのですから、4Kかつ120fpsという一つの到達点に達したソフトがPS5時代に多く揃うことが望ましく思います。
追記(2022/11/3)
少々、いえ、かなり残念な情報を先日目にしてしまいました。
なんと、PS5などの次世代機専用ソフトの「ゴッサムナイツ」が、30fpsまでしか出力できないことが判明しました...。
やはり家庭用ゲーム機業界はいつまで経っても30fpsで妥協する必要があるのでしょうか...。
この流れはPS4の時を彷彿とさせます。
PS4発売から数年間は1080p60fpsを大々的にセールスポイントとして発売していたのに、その後は徐々に30fpsのソフトが目立ってくる状況になってしまいましたからね...。
今後、良くも悪くもクリエイターさんのこだわりによって30fpsに妥協した作品が増えていくのではないかと予想します(下手したら4Kもいつの間にか非対応になっているかも)。
テレビは大画面化してきていて、小さな画面のスマホと違って低フレームレートでは視認性が悪くなることがどうして分からないのでしょうか...。
因みに、下記に紹介しているアンリアルエンジン5も、デモ映像が1440p30fpsだったんですよね...。
これって描画の負担的には1080p60fpsと変わらない水準ですよね?
まあいろいろと新技術を紹介するために一つの画面に詰め込み過ぎたためという可能性もありますが、デモ映像の時点で4Kでも60fpsでもないとは、その辺を楽しみにしていたユーザーにはショックだったのではないかと思います。
残念なことですが、今後よっぽど開発エンジンの進化が進まない限り、PS5やXboxSeriesX世代での4K60fps, ましてや4K120fpsというのは実現不可能だということがなんとなく薄っすらと見えてきてしまっていると思いました。
PS5のその他の可能性
とはいっても次世代機、僕は某黒づくめの方の解説動画をたくさん見てきましたから、単純なGPU性能では語れないものも多いと思っています。その要因を少し紹介します。
爆速SSD
たしかUnreal Engine5のデモ映像で紹介されていたのですが、PS5では画面がロード中のときだけでなく、実際にゲームをプレイしているときも常に周囲の情報を超高速化されたSSDによってロードし続けることで、今までのGPU基準のパワーでは考えられないレベルのグラフィックを実現できるとか。
これにはすごく期待していて、革新的な技術だと思いました。先ほど紹介したGPUのFLOPSに基づく計算なんてどうでもよくなるくらい、今までとは比べ物にならない美しいグラフィックを実現できるのではないか…。
もしかしたらPS5はこれを見越していたのか…?!
UE5のリリースは2021年後半とされています。
今のPS5ソフトにこの技術は使われていないと思うので、今後に作成されるソフトに期待しています。
ポリゴン数の限界を爆増させるUE5:Nanite
UE5には色々な可能性を感じます。
なかでも目玉の技術が、Naniteと呼ばれる技術。
なんと、UE5デモ映像では10億ポリゴンを超える元の情報を、劣化なしに2000万ポリゴンに変換して描画しているといいます。
PS3が一画面に数百万ポリゴン、PS4が数千万ポリゴン描画できるという話を聞いたことがありますが…。
Nanite技術を使えば理論上はすくなくともPS5は10億ポリゴン以上表示できてしまうということなのでしょうか。
今まで世代が変わると10倍ずつ増えていたポリゴン数が今回一気に100倍になる…かもしれない( ゚д゚)
チェッカーボードレンダリングやダイナミック4K
筆者はその仕組みについて詳しくありませんが、PS4proの4K解像度への対応はチェッカーボードレンダリングという技術によって成り立っていました。
これは、4K解像度を1ドットずつ全てレンダリングするのではなく、網目状に1つ飛ばしでレンダリングすることにより、GPUへの負荷をネイティブ4Kの半分に抑えることができる技術です。
実際PS4proのGPU性能は標準PS4の2倍強くらいしかないので、標準PS4が全力を出して動かしているソフトはPS4proの性能ではネイティブ4K表示できないのです。
とはいえ、チェッカーボードレンダリングによる疑似的な4K表示はネイティブ4K表示と比べても遜色ないほどきれいに表示できるようです。
この技術がPS5でも用いられるならば、 4K表示をフルHD 表示の2倍くらいの負荷で実現できるので、歴代PSと同じくらいのGPU負荷の上昇で済ませることができます。
もう一つネイティブ4Kに代わる手法があります。
スパイダーマンマイルズモラレスでも活用されているダイナミック4Kという技術です。
仕組みは単純で、普段は通常の4K表示をしつつも、GPUへの負荷が大きいシーンのみ解像度を自動で低下させることによりGPUへの負荷を軽減させる技術です。
PS5ではこれらの技術を使うことで、疑似的な4Kに加え高いフレームレートとレイトレーシングなどのグラフィック表現を両立していくのではないかと考えられます。
まとめ
- PS5は性能が大幅に進化したが、その進化具合は歴代PSと比べると小さい。
- PS5でもいづれは30fpsが標準になってしまうことが予想される。
- 開発ソフトの進化によっては、ハイレベルなグラフィックと4K・高フレームレートを維持できるかもしれない。
PS5の情報を取り扱ってるサイトやブログはたくさんありますが、実際にソフトを作ってる人じゃないと結局ハードの限界のグラフィックなんて分からないだろうし、先ほど紹介した新しい開発エンジンなどもありますし……。
まだまだ4Kモニターは少々お高いですし、そもそもどんなモニターが必要なのかまだ分からなさそうなこともあり、こんな記事書いといて実は筆者はまだ少なくとも数年はPS5もXBOXSXも買う気はありませんどうせ売ってないし。
ソフトが充実してきてようやくPS5やXBOXSXの本気が分かると思いますので、それまで楽しみに待とうと思います。
合わせてご覧ください。
本ブログでは、他にも筆者が実際にプレイしたソフトのレビューを中心に記事を投稿しています。興味がございましたら、ぜひご覧になってください。
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