今回はSIEジャパンスタジオが残した名作、グラビティデイズをレビューしていきたいと思います。
目次
良いところ
重力での移動が快適で楽しい
本作最大の特徴といえばこれで、重力操作をして好きな方向に落下することができます。
一応落下できる時間に制限はあるものの、多少時間を開ければ落下に必要なゲージがすぐに回復するので、実質空中を好きなだけ動き回る(落ちる)ことができます。
空中のオブジェクトで若干引っかかったりすることはあるものの、基本的には快適な操作性で、慣れてしまえば行動の自由度はすごく高いので移動が楽しいです。
戦闘はシンプルで誰でも遊びやすい
本作の戦闘システムはかなり簡略でほとんど種類がありません。
特に機会の多い空中戦では実質重力キック一択な状態なので、気楽にプレイすることができます。
ただ悪く言えば戦闘の奥深さはあまりないです。一応回避などはできますが、使わなくても困る場面はほとんどありません。
マンガ調のストーリーはこだわりを感じる
ストーリーはマンガのようなコマ割りの画面で進んでいきますが、思ったよりも動きが多く設けられていて、普段マンガを読まない筆者でも飽きずに見ることができました。
雰囲気やBGMが秀逸
音楽はファンタジックかつノスタルジックな懐かしい印象のものが多く、聴いていて心地いい名曲が揃っていました。筆者のお気に入りはオルドノワとクロウのテーマです。
また、本作はPSvitaがオリジナルの作品なため、グラフィックのクオリティは大作ソフトには見劣りしますが、街の雰囲気は日本の古き町並みと洋風な建物が混ざったようなクラシックなイメージがあり、幻想的な雰囲気にどこか懐かしさを感じるようで素晴らしいと思いました。
世界観に浸れる音楽とグラフィックとなっていて、いわゆる雰囲気ゲーが好きな方にもおすすめです。
グラビティタイフォンが強力で楽しい
今作には必殺技が3種類存在しますが、その中でもグラビティタイフォンという必殺技が個人的に使っていて楽しかったです。
どのような技かというと、重力を使って持ち上げた岩などを次々に前方に向かって発射していく技で、強化した状態で使うと他の必殺技よりもかなり強力です。
強力な敵にももちろん強いですが複数の雑魚殲滅にも便利な技です。
惜しいところ
カメラの挙動に若干難あり
筆者は3D酔いしやすい体質なので、特にカメラの距離や挙動には敏感なのですが、本作は若干ですが酔いやすいゲームでした。
カメラの距離はデフォルトの状態だと十分遠いのですが、重力操作をする時や、その他色々なアクションの場面でカメラが近くなることもあり、結果的にカメラが寄ったり離れたり頻繁に動くので酔う原因になりました。
ゲームプレイに支障をきたすほど酔うわけではありませんでしたが、カメラ挙動に関しては改善してほしい部分がありました。
手動セーブできるのが自宅のみ
本作は手動でセーブを行いますが、セーブできるのが自宅のみとなっているので、毎回ゲームを終わるときは戻らなければいけません。
全体のマップ自体は狭いですが一応オープンワールド形式となっているので、個人的にはいつでもメニュー画面からセーブできると嬉しかったです。
サイドミッションの消火活動だけ異常に難しい
本作は難易度設定の無いゲームで、基本的には難易度が低めなのですが、あるサイドミッションでの給水タンクを使った消火活動がやけに難しめに設定されており、この部分をクリアするのにリトライを繰り返して1時間くらいかかっててしまいました。
このミッションでは限られた数の給水タンクを運んで街の火事を消化していくのですが、給水タンクを運んでいる最中に1発でも敵の攻撃に当たると給水タンクを落としてしまい再利用不可になるので結構ストレスを感じてしまいました。
またリトライ時のスタート位置がだいぶ遠いのも時間がかかる要因でした。
他のゲームでもこのくらい難しい場面はあるので取り上げるほどでもないかと思いましたが、全体のゲームバランスを考えるとここは調整不足だったような気がしなくもないです。
伏線がほとんど回収されないストーリー
本作は伏線のような演出が多々ありながらあまりストーリーについて説明がなく、また謎が謎を呼ぶように突然キャラが出てきたりいなくなったりなど、ストーリーに連続性や一貫性が無いように感じました。
終盤の急展開は完全に置いてけぼりにされました。
一応言っておくと次回作のグラビティデイズ2である程度の謎は解けていくようになっているのですが、それでも本作だけプレイすると ??? とよく分からないままエンディングを迎えることになると思いますし、2でも全ての謎が解明されているわけではなかったので、面白い本筋なだけに少しもったいない気がしました。
ボリューム不足
一応本作はトロフィーを全て取り終えるくらいはやり込んだのですが、ストーリー的にもやりこみ要素的にもボリュームはかなり控えめでした。
特にストーリーに関しては突然終わったようにも感じたので何か制作側の事情があったのかもしれません。
若しくは、このソフトの発売当時はスマホゲームが台頭し始めていたので、スーパーマリオ3Dランドのように短時間で手軽に遊べることを意識していたのかもしれません。
セールのときに購入したので価格以上には楽しめましたが、フルプライスで売るには少し物足りない印象でした。
ちなみに次回作のグラビティデイズ2では、ストーリーや行動範囲が大幅にボリュームアップしていて、クリアするまで体感で3~5倍位の時間がかかったので、この点は大幅に改善されています。
ゲームはクリア時間が長ければ良いというものではありませんが、水増しのような要素は1にも2にも殆ど無かったのでそこは良かったと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。筆者は本作をプレイしてから少し時間が経ってから現在記事を書いているので細かい部分までレビューしきれなかったかもしれませんが、ご了承ください。
今は本作を作っていたSIEのジャパンスタジオが解体させられてしまったため、もう新作を見ることはできませんが、本作をプレイしてみるとジャパンスタジオの解体は本当に正しかったのかと疑いたくなります。
どうしてもSIEは今やってることが迷走してる感が否めないのですが、一応今後の行動には期待していたいと思います。
SIEの動きに関して考察した記事が以下になりますので良かったら合わせて読んでいただけると嬉しいです。
shirosgamereview2021.hatenablog.com
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